↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
※この作品は18禁ですm(_ _)m※
ご判断にお任せしますので、OKな方のみスクロールしてください。






















手と手をとって 後編(1)








「ねえエル、僕は初めてだけどエルは経験ある?エルは僕以外を知ってるの?」
 穏やかに見せて、それで嫉妬のこもった眼で見つめられて思わず笑う。そんなに心配されていて期待に副えなくて申し訳ないが、私は童貞だし後ろは処女だ。残念というか今では幸運というか、私は性的に非常に淡白であまり女性には興味が無かったし、常日頃目の前にこの世で一番美しいと信じてやまなかった彼がいるのだから、偶に声をかけてくれる奇特な女性すらも彼の美貌と比べてしまってどうしようもなかったのだ。誰の所為だと思っている、と内心笑う。
「そういう月くんは本当のところどうなんです?モテているんでしょう?私なんかいなくたって選びたい放題なのでは」
 私の混ぜっ返しに半眼になりつつ
「答えになってないけど?」
 などと不機嫌に返す。こんなところで喧嘩になっても面白くもないので肩を竦めて降参した。
「ふふ、解りました。誰も知りません。月くんだけですよ」
 二人で乗った月くんのベッドの上で、サイドに腰掛けた彼の肩口にすり寄り甘える。満足そうに息をついた彼の様子が可愛らしくてこっそりと笑んだ。
「月くんの番です。どうなんですか?経験あるんです?無いんです?」
 私の反撃に、上機嫌だった表情を少し曇らせて唇を突き出す。
「エル……意地悪いこと言うなよ。全部断ってるって知ってるんだろ?その手のマニュアルなら結構読んだけどするのは初めてだよ」
 ぼそぼそと告げた後半の言葉に驚いた。
「その手のマニュアルって……セックスの手引きですか?」
 いかがわしい本ばかり並ぶコーナーに、見目麗しい彼が周囲を伺いつつ立っているところを想像して、しかし上手くいかなくて頭を振った。
「そ。しかも男同士のヤツ。エル以外で勃つ訳ないからキツかったよ」
「なんでそんなの読んでるんですか?月くんが本屋で買うんですか?想像できません……」
 苦笑する彼はやはりいつも通り麗しい。上手くいかなかった想像をそのまま伝えたら呆れた声を出された。
「想像できなくても買ってたんだよ。しょうがないだろ?ネットで買ったら家に居るエルが受け取っちゃってバレるし。だからって無知で挑んでエルが怪我でもしたら大変だから」
 ぽん、と髪を撫でられてなんとなく赤面する。
「私の為ですか」
「そのつもりだけど」
「そうですか……ありがとうございます。あの、でも、初めてでうまくできるものなんですか?」
 ほわりと温かい気持ちになりつつ、けれどこれから行うことを意識して急に緊張する。
「まぁその辺は僕とエルだから。大丈夫だと思うよ。でも心配だからちゃんと気持ちいいとか痛いとか、声にだして言って」
「解りました」
 乗り出してきた月くんが私のTシャツの裾に指をかける。
「ね、脱がせていい?優しくするから安心して」
 こめかみにキスしながらそっとベッドに倒される。むずむずというかどきどきというか、何ともいえず胸の内を巡るものに困惑を覚える。
「ん……ちょっと、怖いです」
 皮膚に感じる彼の吐息に鼓動を乱されながら震えた声で答えると、腕の中に収まる私が嬉しいのか、月くんが何ともいえない優しい表情をしながら口端で笑んだ。
「大丈夫、少しでもきつかったらやめるから。ちゃんとローションもゴムもあるし」
「……さっきの今でいつ用意したんです?」
「ははは、備えあれば憂いなしって言うじゃない」
 ぎょろ、と見上げた私に悪戯っぽく笑ってみせて、視線でベッドサイドのチェストを指す。
 するするとTシャツをめくりあげながら指の腹で肌をなぞられて、微細な電流が流れるような感触に腹筋がびく、と震えてしまう。蛍光灯の光に晒される貧相な身体を恥ずかしく思うのに、彼の真っ直ぐで熱っぽい視線に鼓動がどんどん加速してしまう。
「ああ、やっぱりベッドの上のエルは格別だね」
「お風呂で見てるじゃないですか……」
「うん。でも撓んだシーツの上って凄くそそる」
「馬鹿言ってないでちゃんと集中、……してください、ん」
 およそ本気とも思えない台詞を紡ぐ唇が降りてきて、口ごたえしようと開いた私の唇を覆い隠す。不貞腐れたように唇を尖らせれば、おかしそうに笑って「了解」なんておどけられた。
「エルは綺麗だね。肌白くてすべすべしてて。こことか、こことか本当に真っ白だな。吸うと……ほら、跡がくっきりついて凄く色っぽい」
 うっとりとした口調で肌に唇を這わせ所々吸う。その都度私の身体はぴくんぴくんと震えてしまう。
「……そんな事言うの、っ、月くんくらいですよ」
「そんなの解らないだろ?大学の先輩とか、ほら、マツダさんだっけ?あと助教授のモレロとかいう外国人もさ、結構エルの事やらしい眼でみてたから」
「まさか、考えすぎです」
 ……なんて、身体の反応を無視して平気な振りで喋ってみても無駄なのは百も承知。彼の言葉に否応なく反応してしまっている。
「女だっていたな。ナオミさんとか、留学生のメリーもエルの写真持ってたりしてさ。回収したけど。なにもされてないならいいけど、とにかくエルは隙が多いから心配なんだよ僕は。……あ、じゃぁこの辺に」
 ちゅう、と音を立てて耳のすぐ下に吸いつかれる。
「回収って……、ぁ……んっ……ちょっと、そんなとこに跡付けたら……」
 ぴりっと痛みが走り、宥めるように這わされた舌の感触に陶然とする。
「うん、外出られないね。もうどこにも行かなくていいよ」
 思わず唇から漏れた熱い吐息に月くんが満足そうに笑う。くっきり付いた目立つ位置のキスマークを指でなぞり、綺麗な笑みで独占欲丸出しにするのに薄ら寒さすら覚える。それを恐ろしい事ではなく嬉しいと思ってしまう私はどうしようもない位彼に惹かれてしまっていて。
 所有欲のままに次々に私の肌に跡をつけていく。耳の下から始まったそれが徐々に降りていき、首筋から胸の先端に辿り着いて私は背中をびくりと仰け反らせた。
「ぁ、っあ、ん、そんなトコ、……吸ったら」
 じゅ、と音をたてて吸い、白く整然と並んだエナメルでこりこりと甘噛みされる。
「ん、何。ここ好きなの?ぷくってしてきたよ。丸く出っ張ってきて可愛い……ん」
「ぁあ……っ、んっ、ヤ……」
「あはは、乳首いじられるの気持ちいいの?声凄い」
 びくびくと震える私の反応に気をよくして執拗にそこを愛撫する。
「ぁう、んん。ンン」
「……可愛い……エル、可愛い……」
 意に反して滑り出る嬌声を噛みしめようとするけれど、どう足掻いても次々と甘い声が零れでる。私を楽器のように掻き鳴らす指に腹をつつと撫でられて息を詰める。
「……ッ」
 脇腹を擽る暖かな指先にゾクゾクと感じてしまう。
「ん……ン……」
 胸と脇腹への何ともいえない愛撫に我慢できなくなって、刺激を欲しがる下半身が暴走し始める。腰が熱くてたまらなくて、我慢できずに太腿をもじもじとすり合わせた。
 私の仕草に彼の喉がごくりと上下する。男っぽく突き出た喉仏を感慨深くぼうっと眺めていたけれど、じれた彼が完勃ちした股間をぐりっと押しつけてきて我に返った。
 太腿にあたった熱くて固いものを意識して、どうにも堪らない心地になる。回りくどいことをしないで、早くそこを触って欲しい。その固いのを押し付けて、意地悪な動きで擦ってもらえたらきっと……。
「も……触って下さい 月くん……」
 彼のそれに擦り付けるように腰を揺らすと、
「やらし……」
 と若々しい彼の喉がまたごくりと鳴った。
「そんなに誘って……知らないからね、エル」
 我慢できないのはお互い様。擦れ合う相手の温度にどうしようもなく期待が募る。早く、早く、と気持ちばかりが急くけれど、そこは辛抱強い彼のこと、欲望のままに先走ることなく、ちゃんと私を気持ちよくさせようと心を砕いてくれる。
 とっくに服なんか脱がされて全裸の私と、少し乱れただけできっちり着衣の月くんとの差に羞恥を覚えるのも束の間、するっと長くて綺麗な指が私のに絡みついてきて息を詰めた。
 びくんと硬直する私にお構いなしで、きゅっきゅと指で扱き上げる。
「ぁっ……うぁ……や、ああ」
 自分で施す手淫と違い、予測不可能な快楽の波にあっという間に翻弄される。恥ずかしいのに直ぐに達してしまいそうで、腰を捩りながら波に抗う。
「ん、どう?気持ちいい?」
「ハ、はい、凄く、ぁ……っ」
 もう限界なのに、必死で理性にしがみつく。
「もっといっぱい気持ち良くなって。僕の事だけ考えて」
「ふぁ……ああっ 月くんっ らい、とくんも、……ぅっ、ふ」
 達きそうで、でもまだ達きたくなくて、できれば同じ快楽を感じて欲しくて、懸命に彼の下肢に手を伸ばす。震える指を伸ばすけれど、幾分下にずれてのしかかる彼のそれに届くはずもない。
 何を思ったか唇の端に薄く笑みを刷くと、私の動きを遮って彼が私の屹立をぱくっと口に含んでしまった。
「ひっ……!アッ……! だ、駄目……っ」
 今まで経験したこともない、濡れて温かい軟体動物のような口腔の動きに背中が思い切り仰け反る。
 じゅぶじゅぶといやらしい音を立てて彼の端正な唇に私の欲が飲み込まれている。ぬちゅ、くちゅくちゅとわざとらしく音を立てて吸い上げられ、せり上がる衝動に理性がぐちゃぐちゃになって崩れていくのを感じた。
「あっ、ああっ、や、だ、何っ……口、駄目です、汚しちゃ……っ」
 先端の丸みをぢゅうっと吸われ、根元から擦られて一気に昇り詰める。こみ上げるものが堰を切って溢れ出しそうで必死で下腹に力を込めるけれど、彼は当然容赦なんてしてくれなくて。
「ん、んン うあ、あああっ ああぁ、もっ……! 出……る……!」
 迸る絶叫に、許可を与えるように彼の舌が鈴口に抉り込む。ぐりっと捻るようにされて、たまらず喉のけぞらせて痙攣しながら放出した。びゅくびゅくと溢れる青臭いそれを、月くんは躊躇うこともなくごくっと音を立てて飲み下す。
「……ぁっ……あ……」
 快感に暫く震えが止まらない私の身体をぎゅっと抱きしめて、
「エル、気持ち良かった?僕で達ったんだよ、エルは。ずっと夢だった」
 と、うっとりともいえる口調で囁く。
 のぞき込んだ彼が驚くのは解っていたけれど止められない。目尻からぽろぽろと温かい滴が零れたのに彼が気付いて狼狽した。
「……あ……嫌だった、かな?ごめん……」
 さっと顔色を変えて私を労るのに、誤解されたくなくて慌てて首を振る。
「ち、がいます。生理、現象です。ちょっと、びっくりして……こんな感覚のするものだなんて、知らなくて」
「ええと?」
 肩で息をしながら否定する私にきょとんとしたけれど、
「凄く、気持ち良かったんです。怖くなるくらい。人に触られたのも、口でしてもらうのも初めてですから……」
 そう最後まで告げると、そっか、と子供みたいな笑顔で私にキスをしてくれた。
 こんなに大事にしてくれる月くんに私もなにかしてあげたい。
 そう思って、激しい心拍数に上滑りする思考を叱咤する。やはり自分に出来ることは同じ快楽を感じてもらうことだと結論づけて彼の下衣のジッパーを引き下げると、
「っ……エル、僕はいいから」
 と、動揺した声で私の手を遮った。
「や、です……私ばかり」
 思わず頬を膨らませてしまった私に、なんとなく切羽詰まった声で彼が続ける。
「今日はいいんだ本当に。それよりもさ、後ろ、いい?」
 つ、と撫でられた後ろにぞくんと感じてしまい、
「でも月くんも……」
 と駄々をこねてみたけれど、
「なるべく解して挿れたいんだ。早く一つになりたい。我慢するのもう辛いよ」
 そうバツが悪そうに笑ったのを見て引き下がった。遠慮しているわけではなく本当にそう思っていると解ったから。
「……次はさせてくださいね」
 ふふと笑って言えば、はにかんだように「うん」と答える。私に聞こえない様にしたつもりだろうけれど、「次もあるんだ」と安堵した呟きはしっかりと私の耳にも届いていた。

 改めてベッドの上に仰向いて転がり、立てた膝をおずおずと開く。彼の掌が太腿を撫で上がってくるのにあわせてゆるゆると開脚する。恥ずかしくて顔から火が出そうだけれど、これをしないことには先に進めないのは解っている。
「こ、これでいいですか?……あの、月くん?え…?ぁっ、………っひぁッ!なっ?!」
 恥ずかしさにぎゅっと眼を閉じていたら、予想もしなかった場所に生温かい濡れた感触を覚えて悲鳴を上げてしまった。
「月くん!やめっ……やめてくださいそんな事!」
 慌てて瞼を上げれば、ねろんと彼の舌が私の肛口をねぶっている。
「え?駄目?だって濡らさないと」
「ろっ、ローション!あるんでしょう?そっち使ってくださいよっ!」
「え、でもせっかく入るんだからたっぷり可愛がって……」
「そんなの今度でいいですっ!初心者に酷な事しないでください!」
 見せるだけでも精一杯の場所を舐められる羞恥にまくし立てれば、「今度ね、了解」と彼がまた次の機会を喜んでいる。初めても済まさない内から次をねだっているような事を言って、こんな私は好き者だと笑われてしまうだろうか。喜んでくれているなら私も喜んでいいのだろうか。
 刹那気を取られている隙に、彼は粛々と事を進めている。
 サイドチェストに腕を伸ばし、中から小振りの食器用洗剤みたいなボトルを取り出し蓋を開ける。透明な気泡がこぷこぷと浮かんでいて、遠目から見ても粘度が高いのが伺える。左手で絞ると、右の人差し指と中指がてろてろと濡れる。
「どのくらい出せばいいかわからないな……このくらい?多いかな」
 すっかりゲルまみれになった指を、そうっと私の後穴にあてがう。ひやっとした感触に竦んで身震いすると「ごめん、すぐ慣れると思うんだけど」とすまなそうな顔をした。
 ねちゃっと音をさせながら塗りつけて、
「ふふ、垂れてきてる。卑猥だね」
 なんて楽しそうにしている。見えない分想像してしまい、余計に緊張する。苦し紛れに呟いた文句は聞こえぬ振りをされた。
「指挿れるよ。最初は一本だけだから、痛かったら言ってね」
 緊張に強ばる私の身体を撫で、月くんが私の耳に甘ったるく囁く。こくこく頷いて先を促すと、冷たく濡れた指がぬぬっと入ってきた。
「……ン……わ、なんだか」
「何?」
「圧迫感が、凄い、ぁ」
「きっちきちだね、こんなんで入るかな」
 ぐいぐい進んでくる指は、一本だなんて信じられないくらいに大きく感じる。じりじりと押しては引く動きを繰り返す内、冷たかったローションが次第に人肌になって意識にも上らなくなる。
 ぬちゃぬちゃと音を上げるそこが段々熱を持ち、微細な刺激を全身に送り始めると、私の呼吸が応じるように色を伴ってわずかに乱れ出す。
「ん、ん、ぅ、ふ」
「ああ、少し柔らかくなってきたかも。増やしていい?」
 奥に進入してくる指が、圧迫感以外の何かを次第にもたらしてくる。波紋状に広がるざわざわした感覚に徐々に夢中になってきて。
「中指挿れるよ、あ、割と」
「っ……っふ」
「入り口ギチギチだけど中は柔らかいな。ああ、凄い締め付けて……」
 じゅぷじゅぷ、くちゅ、くちゃくちゃ、ねちゃ、と、耳を塞ぎたいような淫らな音が自分の下肢から聞こえてきて、妙な具合に高ぶってしまう。段々周りの事が解らなくなってきて、月くんの指だけが意識の全てになって、そこから狂おしい様な曖昧な感覚が広がって……。
「ふぁ、あ、あっ、なんだか……っ」
 決定打に足りない温かい波動にじれて腰を揺らすと、
「ん、こここりこりして」
「ぁ……!うっ!んンッ」
 彼が探り出したそこに指が当たって、脊髄を駆け上がる電流に四肢が暴れてしまった。
「エル?どうしたの、ここ気持ちイイ?」
 目を丸くした彼だったが、私の声がぐんと艶を増したのに直ぐ気付いて、ぐいぐいと重点的にそこを押してくる。
「ぅあ!ぁ!あああ! 月、くんっ!」
 びりびりと駆けめぐる強い刺激に耐えかねて、目の前の彼の身体に溺れる者が助けを求めるみたいに我武者羅にしがみつく。
 突き抜ける刺激に私の兆しがびくびく震え、白濁の混ざった液を垂れ流し始める。
「わ、凄いよエル、とろとろだ」
 感嘆混じりの月くんは、私を達かせる事にしたのか興奮に息を荒くしながらも、私のイイところばかり刺激してきて自分の快楽を追おうとはしない。まさぐる指に思考をめちゃくちゃにされながらも、それでも早く彼が欲しいと切実に思った。
「やめ、やめてっ!止めてくださっ!月くん!も、もう無理ですっ! ハ!あ!あ!あ!ダメ、も、う、やめて……っ!」
 このままでは立て続けに達してしまうと気付いた私は、有らん限りの力を振り絞って抵抗する。気持ちよくてどうにかなりそうだったけれど、彼を感じないままに終わってしまうのだけは避けたい。必死で身体の衝動に抗って、身を捩ってどうにか彼の腕をもぎはなす。
 月くんは私の行動に
「きつかった?ごめん、無理させたかな……」
 拒絶を感じ取ったのかしゅんとうなだれた。違う、そうじゃない。解って欲しくてすぐさま訂正する。
「い、え……二回、達ったら、後が辛そうで……す、みません。月くんとする前にダウンしてしまうのは厭ですから……」
 呼吸もままならない声で必死に告げたら、ほっとしたような顔をした。
「凄いびくびくしてたけど、気持ちよかったの?」
 ちゅ、とこめかみにキスしてくる彼の腕が背中に回る。
 体面も保てずに快楽に翻弄さている事が恥ずかしい。けれど、言うのを躊躇しそうな言葉も、きちんと伝えておかなくては彼に深読みされてしまう。
「……気持ちよかったというか。気持ちいいんですが、強すぎて、その、どうにかなりそうで」
「そっか、あそこが前立腺なんだろうけど。もう一回してみる?触ったら一気に中がとろとろになったよ」
 素直に告げたのが良かったようで、勘ぐらずに提案してくれた。
「その、私月くん程若くないので……お手柔らかにお願いしたんですが」
「ははは、わかったよ。じゃぁもうちょっと広げたら挿れていい?」
「……痛くしないで下さいね」
「痛かった?」
 小首を傾げながら伺ってくる月くんはこんなに可愛らしいのに、私を意のままに翻弄する指先は一人前の雄そのもので。なんとなく胸をときめかせてふるふる首を振る。
「ん、そっか、良かった」
 穏やかな目の色で、額へのキスと一緒ににっこり綺麗な笑顔をくれた。





next