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Love obsession
竜崎と「そんな」関係になって暫く経つ。大学に入ってすぐ、僕は竜崎を抱いた。竜崎は最初は抵抗したけれど、いつの間にか僕に懐き、キスを欲しがったり、何とはなしに誘ってくるようになった。
僕は僕の世界を作ることに躊躇はない。けれど竜崎を殺すのは少し惜しくなっていたのかもしれない。支配したい。その代わりに蕩けるようなセックスや、時折激しいセックスをして、僕の為に生きるようになればいいと思うようになっていた。虜になれ、なにも見えなくなれ。僕の為に生き、僕の為に死ね。
愛しているのだろう。この気持は執着でもあり間違いなく愛なんだと思う。
竜崎を見ると胸が締め付けられたような心地になり、自分でもどうしていいかよくわからない。全部が欲しかった。何もかも。
あいつの吐く吐息ひとつすら、誰にも渡したくはない。誰かに渡すくらいなら、殺してしまおう。壊してしまおう。僕にだけ目を向けていればいいのだ。
学校を出たところ、校門のところに竜崎が立っていた。
「ああ、またせたね」
「またせたね、じゃありませんよ。私を待たせるなんて、あなたも偉くなったものです」
ぶつくさ言いながらジーパンのポケットに手を突っ込んで、飴でも舐めているのか口をもごもごさせている。
人目を気にすることもなく、頭をぽんぽんと撫でてやったら、頬をかっと染めて怖くもない顔で睨みつけてきた。
あはは、こいつも僕に恋している。俯いて足元にある小石を靴先でいじり始める。
もじもじした態度にも見えなくないそれは、いたく僕を満足させる。
別段恋人同士だなんて約束も告白もない。けれどどこかでお互い了承しあっているような関係だった。
「じゃあ、本部へ行くんだろ?」
「そうですね。今日は誰も居ないのでタクシーでも拾いましょう」
「なんだ、いつものリムジンは無いのか」
「乗りたかったんです?今日は運転手も居ないんですよ」
「へえ、僕は構わないけど?なんなら地下鉄で行く?混雑から僕が守ってあげる」
にっこり微笑んでやると、顔をそっぽに向ける。竜崎は僕の何に恋をしているのだろう。多分……顔、ではないな。なにかを僕から感じ取っている。
けれど初めての初心な恋は、こいつを少女の様にときめかせているに違いない。
「そんなお気遣い無用です。早く……帰りましょう。ここは少々冷えます」
まだジャケット一枚は欲しい季節だ。竜崎は肩をすくめて寒そうにした。
くす、と笑って僕はジャケットを脱ぐ。貸してやるよと言って、体を包み込んでやる。身動ぎしたけれど、僕は大衆の目なんか気にならないんだ。お前の前では全てがゴミだ。
「あ、ありがとうございます」
竜崎は聞こえるか聞こえないか程度の声量で僕に告げた。
地下鉄で守ってやるとからかってやったのに照れたのか、竜崎はさっさとタクシーを捕まえて僕を引きずり込んだ。
「早く帰りますよ」
はいはいと返事して、僕らは本部になっているホテルへと急いだ。
ホテルの部屋は無人だった。いつも誰かしらいるのに、竜崎が言うように本当に誰もいなかった。少し驚いた。
「なんだ、本当に誰もいないんだな」
「言ったじゃないですか」
「……なに?人払いでもしたの?」
からかって頬にキスしてやる。途端に竜崎は真っ赤になり、また僕から顔を背けた。おどろくべきことだ。ビンゴ。
こんなことをされては、早くしたくなるのも当然だ。こいつが身をくねらせて僕の腕の中で断末魔の叫びにも似た喘ぎ声を上げる。イク瞬間の満足感は堪らないものだ。ベッドに引っ立てて行きたかった。
「まずは……コーヒーでも」
竜崎は赤い顔のまま、コーヒーサーバーに手を伸ばす。自分から進んでカップに注ぐなんて珍しいにも程があるが、危なっかしく指先が震えていて仕方なくひったくった。
「そんなに緊張しなくてもいいじゃないか。初めてじゃ……ないだろ?」
耳に息を吹き込む様に囁く。ぴくっと反応する肩が可愛らしい。ぎっとこちらを睨んで来たけれど、なんだか薄い膜の張ったような潤んだ目をしている。
ああ、欲情しているんだ。
それなら話は早いのに。僕だって欲しくて堪らないのだから。
まだコーヒーの注がれていなかったカップを素早くテーブルに戻し、身体をぐいと引き寄せる。あ、と小さく反応して半分開いた唇に、貪るようなキスを仕掛けてやる。
「んっ……ん」
「竜崎……」
キスの合間に囁いて、舌を絡めて唇を甘く噛んで、歯列をなぞり、口蓋を舐めとってやる。
「んっ……ぁ、らいと……く」
「竜崎……竜崎」
徐々に息が上がる竜崎。夢中で二人でくちづけして、唾液がとろとろになるまで貪りあった。緩く勃起した下半身を押し付けてやると、ビクンと竦んで身を捩る。こいつはとっくにガチガチになっていた。可愛い。堪らない。
長い事キスをして、膝が震え出す頃に解放してやる。
「……が、居ないと」
蕩けた表情で僕を見つめて小さく発音する。
「え?」
「あなたがいないと、私は」
「うん」
「もう、駄目です」
そんな言葉を告げる。愛の告白に似た、こいつの策略かもしれないけれど、本音であるような気がした。
「どう、駄目なの?」
「……退屈な、だけです」
「へえ、ねえ、どう退屈なの……」
「……」
口をつぐんだ竜崎が、こてんと僕の方に寄りかかって来る。愛おしくて仕方なかった。
「身体が……とか?」
ふふ、と笑ってやると沈黙した。少し意地悪だったかもしれない。
「いこう?」
欲情にややかすれてしまった声に、竜崎が反応する。こくん、と頷いて僕の手を取った。
とりあえずシャワーを、なんて余裕は無かった。
ベッドルームに入るなり、僕は後ろ手に鍵をかける。誰か帰ってきても構わないけれど、こいつのあられもない姿を見せる事だけはどうしても嫌だった。僕だけのものだ。
ドア先でもう一度濃厚に口付ける。竜崎は短く息を乱し、僕の腕にすがりついてくる。
この手でかき乱してやろう。溶けるまで、壊れるまで。どうしようもなく欲しかった。
竜崎に優しくしたい。甘やかしてやりたい。それにも勝る酷いことをしたい。僕の手でなにもかも。
「竜崎、何がほしい?」
甘ったるい声で、縋り付いてきた竜崎の耳に息を吹き込む。感じやすい身体を震わせて、竜崎は口を噤んだ。
「言わないと何もあげないよ?」
そんなつもりも無いのにこいつの口から引き出したかった。
「……」
「ほら」
顎を持ち上げて、耳のラインをなぞってやる。竜崎は暫く迷っていたが、小声で
「月くんを……」
と囁いた。満足だ。
「いいよ、あげる。じゃあ……舐めて」
今までフェラチオはしてもさせることは無かった。初心な竜崎にそんな事をさせるのに若干の抵抗があったのかもしれない。嫌がることをさせて僕から興味を失わせるのが勿体無かったのだ。
案の定竜崎は躊躇った顔をした。しかし自分の欲求に勝てなかったのだろう。
ベッドに腰掛けて手を引くと、すとん、と僕の足の間に身を屈める。
「どう、すれば?」
上目遣いで僕を見上げてくる。
「ほら、自分で開けて……ただ舐めてくれれば構わないよ」
優しく微笑んでやる。おずおずと僕のフロントに手をかけ、勃起して膨れた前にそっと触れた。
ジジっとファスナーの音がする。それから下着を引きずり下ろす。飛び出してきたそれに一瞬息を飲み、そろそろと口を開いた。
ちろ、と先端を舐める。ああ、ゾクゾクする。
「ほら、もっと。舌を絡めて?」
「ん……」
竜崎は頬を染めて躊躇いがちに僕のを愛撫をし始める。
「ん、んむ……」
唇を開いて亀頭を含む。鈴口に舌を這わせて、様子を見ながらそろそろと愛撫する。
刺激は物足りなかったが、何よりあの竜崎が、という思いに快楽の溜息が漏れた。
「ああ、上手だよ。もっと僕がしてやってるのを思い出してご覧」
そう言うと、竜崎は僕が普段している舌使いを模倣し始める。口に収まらない分の竿を手で扱きながら、横からはむはむと甘噛し、裏筋をれろぉと舐め上げる。ちゅぱちゅぱと吸い上げて、時折くいくいとスリットに舌をねじ込んできた。
十分に上を向いていたそれが段々と硬度を増してくる。竜崎は変化に興奮しはじめたのか、夢中になって僕のを一心に舐めてくる。
竜崎の長い舌が、僕のに絡みつく。決して大きくはない口を必死で開いてじゅぷじゅぷと口に含む。
「ああ、イイよ、竜崎」
優しく髪を撫でて褒めると、より一層愛撫が激しくなる。
竜崎は一生懸命口を開けて、頭ごと振って僕のを出し入れしていた。気持ちいい。でも正直このまま拙い愛撫でイケる気もしなかった。かわいい姿はもっと見ていたかったけれど。
早く挿れたい思いに駆られたが、ふと思いつき、あえてこいつの顔を穢してやりたくなった。白濁を滴らせる竜崎の顔はさぞ綺麗だろうと思って。
突然後頭部を掴んで、ぐっと腰を押し付ける。
「んんっ!」
驚いた竜崎が反射的に顔を背けようとする。それを捕まえて無理やりねじ込んだ。
口が裂けてしまいそうなくらいに激しく腰を使う。喉の奥まで飲み込ませて、ぐちゅぐちゅと竜崎の口腔を犯してやる。えずきながら必死で歯を立てない様に唇をすぼませる姿に強烈な快感を覚える。
早く出してやらないと本当に吐いてしまうかもしれないから、大して我慢もしなかった。
「ああ、イイ。凄くイイ竜崎」
「んぐ、んっんっ……っ」
「ほら、もうこんなだ……出すよ」
掠れた声で告げると微かにこくこくと頷いた。それを確認してから、ずぼっと口から引きずり出す。同時に顔面に向かって勢い良くぶちまけてやった。
「ぁ……」
竜崎は嫌がることもなく、生暖かい精液に恍惚とした表情を浮かべた。根っからの淫乱だ。こんなところが気に入っているんだ、僕は。
あぁ、と蕩けた声で吐息を吐いて、僕の精液をちろっと舐めとる。淫猥な姿に余計に欲情する。
竜崎はぶるっと身体を震わせて、小刻みに震えていた。
「どうしたの?竜崎」
「んっんっ」
びくびくと肩を震わせた。
竜崎のフロントに染みが広がっていく。僕にかけられただけでイッたらしい。思わず口の端を釣り上げた。可愛い竜崎。そうでなくては。
「これだけでイッちゃったの……?」
からかうように、労うように髪をなでてやれば、真っ赤な頬でかくかくと震えている。まだ芯を保ったままの僕のがびくびくと上を向いた。
早く挿れたい。
膝を震わせる竜崎の腕を力ずくで引き上げて、ベッドの上に転がした。
「ら、いとくん……」
セックス中にこいつは呂律が回らなくなる。舌っ足らずな声で僕の名を呼んだ。こうなってしまうと竜崎は没頭して快楽の虜になる。満足の余り、笑いを禁じ得なかった。
「抱いてあげる」
「はや、く……」
服を引剥がしていく僕の首に、腕を回して催促してくる。まるで優しく愛し合っている恋人同士の様に、僕ので汚れきった唇にキスをしてやる。自分の味に辟易したが、こいつがめちゃくちゃになって行くことの方が余程重要だった。
こいつとセックスするようになってから常備している電気ポットとローション。
先にポットから湯を出してタオルを濡らし、そっと全身を拭ってやる。もどかしそうに身を捩らせるのにまた興奮する。時折弱いところをくすぐりながら、つまんで弾きながら、僕のと竜崎ので汚れきった身体を清めてやる。
「らいとくん……」
催促してくるのを宥めつつ、ゆっくりゆっくり愛撫しながら全身にふれる。些細な事に反応する竜崎の肌が、タオルの温もりと欲情で薄桃色になって行く。
普段の血色の悪さを忘れさせるようなその変化を僕は気に入っている。ここに花びらを散らすと、それはそれは美しいのだ。
肌理の細かいまっさらな白い肌がほんのりと染まり、丸で桜の精を犯しているような心地になる。清らかなものをめちゃくちゃにしているような気がする。僕の手の中に堕ちてこい。血で赤黒く染まった僕の手の中に。
暫く焦らすように全身を撫でていたら、両の乳首がぽっちりと勃ち上がっているのが見えた。気を良くした僕は、そこを捏ねて摘んでやる。
「んぁっ」
びくっと身体を竦ませる。ここが凄く弱いことなんてもう何度もしているんだから知っていて当然だ。
きゅっと引っ張りあげて親指と人差し指で挟んでこりこりと刺激してやる。
「んぁあああん」
腰をくねらせて感じている。さっきイッたばかりなのに、竜崎のはあっという間に上を向いた。
「ここ、好きなの?」
甘く微笑むと。かくかくと頷く。ふふ、と笑ってより一層強く捏ねてやる。
「ふぁ、あああん」
こり、こり、と中指と親指で摘んで、人差し指でかりかりと引っ掻く。
「ぁ、ぁんっ、んんっ」
気持ちいいのか、腰をもじもじさせて膝頭をすり合わせている。
「ふぁ、らい、とく……らいとくん」
「なに?」
「ぁっ、そこ、ばっかり……」
いやです、と続けられずに甘く色めいた喘ぎを上げた。
可愛らしくきゃんきゃんと啼く声に僅かながらの嗜虐心が湧くけれど、できるだけ今は優しい顔をしてやった。もっとして欲しいのか、気持ちよさにきゅうっと胸を突き出してくる。
「もっとして欲しい?」
「……いや、」
「どうして?」
竜崎は問いかけに少し黙って、それから恥じ入るように、
「……はやく、挿れて……」
そう言った。
「まだ、だめ」
「いやぁ……早く、挿れてくださ……っ」
にぃっと笑みを刻む。悶えて悶えて、おかしくなればいい。
「まだ、ダメだって」
そう言って今度は乳首をれろぉと舐めてやる。きゃひっと声を上げて竜崎は身体を跳ねさせる。捏ねてつねって引っ張って、繰り返すと竜崎の先端からとろとろと先走りが流れ出してくる。
「もっ……も、やめてっ」
ひくひくと感じている竜崎は、乳首だけでもイケるくらいに敏感だけれども、それで終わらせるのも勿体無い。回りに唇をずらしていくつも跡を刻んでやった。
ああ、綺麗だ。
僕も欲しくて我慢出来なくなってきたので、最後に耳たぶを甘噛して、膝裏に両手を差し込んで足を開かせる。
僕を待ちわびているそこは、ひくひくと収縮を繰り返していた。さっきイッた残滓でてろりと濡れている。
これだけではお互いつらいのは解っているので、常備してあるローションの中でも特に粘り気の強いものを選んで冷たいまま塗ったくってやった。
「ひぅ!」
「ああ、ごめんね」
悪びれもしない声で答える。竜崎は悔しそうに睨んでくるけれど、もう上気して真っ赤になった頬に快楽の涙さえ伝いそうな目で睨まれても煽られているとしか思えない。
ねとねとになった後孔に、そっと指を這わせる。
緩く円を描いて竜崎が悶えるのを楽しむ。
「ぁ、んん、らいと、くん、らいとくん……」
「なに?」
ひくっひくっと今にも泣き出してしまいそうな呼吸で必死な視線を送ってくる。
「焦らすの、嫌、です」
「解してあげてるだけだよ?どうしたの」
「早く……はやくっ、痛くてもいいから……」
欲しがって腰をくねらせる。にぃっとまた口角が上がる。もっともっと欲しがれ。
「ああ、欲しいの。……仕方ないな」
ぱんぱんに膨れた僕のを、そっと入り口におしつけると、きゅうっと窄まって吸盤みたいに吸い付いてくる。全くいやらしい身体だ。
「いくよ……?」
僕もどうしようもなく欲情している。掠れ声で竜崎に告げると、一気に奥まで突っ込んだ。
「ぁあああああっ!」
竜崎の喉が仰け反る。ぴゅくっと竜崎の先端から少量の精液が漏れる。軽くイッたみたいだ。
「挿れただけ、だよ。まだまだこれからだ、竜崎……」
囁くと一瞬恥ずかしそうに顔を歪ませたが、直後始まった抽挿にあっという間に飲み込まれた。
苛烈なピストンで竜崎の身体を翻弄する。接合部からにちゃねちゃと嫌らしい音が響いてくる。こいつは酷く卑猥な音を立てるローションだ。羞恥心を煽られるのか、竜崎はますます顔を赤くして僕の腕に捉まって顔を伏せた。
「あ、あ、あ……っっ!ら、いと、くっ!ああっ、ああっああっ」
「んっ……イイよ……」
「や、ぁんんっ……!きひっ」
腰を回すように撹拌する。一番奥までガツガツとぶつけてやる。
「ひっぁ、あっ、あっ、あっ!!」
僕の腕にきりきりと爪を立てて何かを必死でこらえているような顔。真っ赤になって喘ぎまくる様が堪らない。
「らいと、くっ……や、激し……っ!あ、あ、あっ」
仰け反ってシーツにつま先を突っ張らせている。激しい前後に耐え切れぬように上へ上への身体が逃げていく。
逃すまいと腰を抱えて僕の方に引きずり戻す。
「ふぁ!あああんんんっっ!深……っ」
ぐぷぷ、とローションの卑猥な音が響き、竜崎の聴覚を犯していく。
「ひぅ!や、もう、ゆるし……って、あぁあ!」
少しも優しくない抽挿に竜崎がびくびくと痙攣し始める。
「まだ、まだだよ……ッ竜崎」
竜崎の柔らかくてギチギチな粘膜が削り取られていく。呼吸も上手く出来ないかのようにひくひくと喉をつまらせている。
ここからゆっくり溶かしてやるのだ。
「ああ、竜崎、ごめん……我慢できなくて」
「んぁ、あ、らい、と」
少しだけストロークを弱くしてやる。かなり擦られた内壁が刺激に敏感になってきているはずだ。
「僕ばかりでごめんね、竜崎。溶かしてあげる……」
優しく恋人に囁くように、耳たぶを舐めながらゆるゆると腰を前後させる。
さっきまで衝撃に耐えるだけだったような竜崎の目が、とろんと蕩けていく。
気持ちよくておかしくなる場所くらい知っている。浅い場所にある前立腺。竜崎はそこが大好物だ。
「ここ、好きだね?」
「ん、ふっ」
ゆる、ゆる、とカリでひっかくようにして圧迫してやる。最初はうっとりと接合を楽しんでいた竜崎が、ひくっひくっと反応を始める。刺激の水位が満タンになると、決壊するのだ。
「あ……あ……あ」
竜崎の声が色を帯びていく。同時に眉間にしわを寄せる。
「らい、らいとく……やめ、そこ、やめ……」
ふるふると腹筋が震える。
「やめないよ」
圧迫感を強めにこすりつけると、竜崎はとたんに目を見開いて吠えるように喘いだ。
「あ、ああ!あ!も、だ、め。だめ!!!だめですっ!だめぇあああ!!!!!」
決壊だ。
「んあぁあああ!ああああっんんん!らいと!あああっっ……!ひぁああ!」
絶叫にも近い声をあげて、竜崎が限界を突破しようとしている。
ぎゅいぎゅいと中が締め付けられる。
「んっ……キツ」
「き、ちゃ……きちゃいま……!!!」
「いいよ?」
「んっ、だめ……っ!だめ、だめ、まだいや、あ、あ、あ、あ、あ」
「イッて……」
止めのようにごりっと中を掘削してやる。
背を弓のように撓らせて、竜崎は唐突に吐き出した。
「――――っっっ!!!!」
びゅくびゅくと大量に白濁を吐き出している。勢いの良すぎるそれは、僕の胸から顔までをピシャリと濡らした。
「くくっ……」
竜崎ががくがくと痙攣しているのを見て満足の笑みが溢れる。顔に飛んできた竜崎の精液を見せつけるように舐めとってやる。竜崎はぼんやりとそれを見ていた。
ああ、いいよ、竜崎。そのまま壊れてしまえよ。
竜崎がイッたからといって僕がイッた訳じゃない。竜崎が吐き出し終わるのを見計らって先程より奥をぐいぐいと突き出す。
「ぁっ!や、っ!ら、と……くん!らいとくんっ!まだ、強!」
イッたばかりの敏感過ぎる身体に、今度は僕がイク為の抽挿を開始する。
深く潜り込んでぎりぎりまで引き抜く。反り返った僕のものは、竜崎の腹側を強く圧迫している。
「ふぁ!ああんんっ、んっ、んっ!だ、め……ぁああ!」
がくがくと全身を震わせて竜崎は抽挿に耐えている。大丈夫。そのうちもっと気持ちよくなる。
腰をグラインドさせながら肌が鳴るほどに打ち付けて、腰をしっかりホールドする。逃げていく身体をそのままにさせる訳など無い。がっちりと抑えこんで僕のを深くまで飲み込む様に固定した。
「いや、だ、いや、いやぁ……!」
「んっ……その割に、いい感じに締め付けて……くるよっ」
僕も気持ちよさに息が上がってくる。こいつの中は熱くて、入り口が酷く狭くて、中が柔らかい。それでもってきゅうきゅうといい具合に締め付けてくるから堪らない。名器というやつだ。
「あっ……あっ、あっ!んんっぅ」
髪を振り乱しながら竜崎はびくびくと僕の腕の中でのたうち回る。強すぎる刺激に形振り構わず逃げ惑う。そこを抑えこんで居るのに征服欲が満たされる。今こいつをいいようにしているのは他ならない僕だ。
「ああ、イイよ、竜崎。もっともっと……咥え込め」
「変にっ!変になるっ!」
「なればいいさ」
息がうまく出来ないのか獣のように短く強く息を吐き出している。しかし上手く吸い込めないのか溺れるものの様に僕の腕にぎりぎりと爪を立てている。ああ、これは跡に残るな。それはそれでいい。
段々と僕の快楽も強くなる。竜崎の中が酸欠でぎちぎちに締め付けてくる。そろそろだ。
「んっ……イイ、達くよ、竜崎」
「やっ、あっ、外にっ」
中に出されると後始末が大変なのだ。何度かしてやったことがあるけれど、その度に不機嫌な顔をしていた。今日はそれどころじゃないさ。中が満たされて幸福になるような身体に仕込んでやる。
「だめだ。中に……だすよっ」
「やめ、やめてくださっ」
「んっっ!出るっ」
「あ、あああ。あ」
堪らなく強い快感が僕を襲い、同時に中にどくどくと注ぎ込んでやった。
竜崎は呆然とした顔で僕のを飲み込んで行く。お前の中は今また穢されたんだよ、竜崎。
「ん……凄く良かった、竜崎」
額にキスしてやる。もう終わりと安心したのか、僕に文句を言おうと唇を開く。
「ら、いとくん、外に出してって、言いました」
「中に出したって構わないだろ。処理してやるから」
「それくらい自分で出来ます」
「そう?じゃあ、もっともっと……注いであげるよ」
「ぁ……え……?」
まだ続くとは思っていなかった竜崎の身体をひっくり返す。
ぐぐっと腰を持ち上げて、尻だけ高く上がるように膝をつかせる。
「あ、月くん、も、今日はっ」
「まだまだイケるだろ?」
ふふと笑ってやると、竜崎はカアっと顔を赤くした。耳たぶまで染まっている赤が、満更でも無いことを物語っている。こいつだって好き者じゃないか。
粘度の高いローションは乾くことも無くまだベトベトに竜崎の下半身を濡らしている。そして僕の精液。潤滑なそこは、先ほどの刺激でぱくぱくと誘うように開閉している。このまますぐに突っ込んでもなんの支障もない。しかも僕は十代。性欲を持て余す位の年頃だ。まだ幾らだって出せるさ。
腰を高く上げた前に、僕も膝立ちになって構える。軽く手を添えて宛がうと、竜崎の身体がビクンと竦んだ。
「こういうのも、好きだろ?」
言い様に中にぐっと押し入る。
「んんぅ……っ」
より深く結合する体位で竜崎の背にのしかかる。背中にキスをしてやりながら、背骨のゴツゴツした場所を一つ一つなぞってやる。こいつに性感帯じゃない場所なんて存在しないんだ。
「ぁ……ん」
まだ腰は動かしていない。そろそろと背中を愛撫する感覚に陶然とした声を出す。まだこれから来る快楽なんて知りもしないのだろう。お前をめちゃくちゃにしてやるさ。
「らいと、くん……」
気持ちよさそうに快感を享受する竜崎の身体がまた反応し始める。僕がイクまでに突きまくった所為でか、竜崎のはすぐに硬く反り返った。
「ああ、淫乱だね、お前」
耳の中に息を吹き込む様に囁いてやると、折りたたんで突っ伏した腕で顔を隠した。恥ずかしいのだろう。そんな理性、すぐにぶち壊してやるよ。
「竜崎もまだまだイケそうだね。ほら、こんなだよ」
竜崎の股間に手をのばす。反り返ったそれを軽く扱いてやると
「ぁ、あんん」
と甘ったるい声で反応した。
「こ、擦って……」
いつも優しくしてやっている。竜崎の要望は大抵なんでも聞いてやっていた。
「擦って欲しいの?」
こくこくと頷くので、しかたないなぁなんて呟いて軽く擦ってやる。
「あっ!ああっ、きもち……っ」
腰をくねらせてペニスへの刺激を楽しんでいる。感じやすい身体はあっという間に先走りを垂れ流す。
「らいと、くん……イキたい」
こすこすと擦ってやりながら、ゆるーく腰を前後させる。
「あっ!あっ!イイっ!」
んん、と背を撓らせて、顎を反らす、目を硬く閉じて快楽に浸っている。いつもなら、そのままイカせてやるさ。でも、今日はそんなつもりは微塵もない。
「ら、いとくんっ、らいとくんっ」
イきそうなのか、まだぶるりと腰を震わせる。そうはいくか。
竜崎が白っぽく濁った体液を滲み出させる頃、やわい後ろの袋をきゅいっと握りしめてやる。こうするとイケなくなる。
「あ。あ……なん、で」
「まだまだイケるだろ、って言ったよね?」
落胆の声を上げる竜崎の腰に、一度大きく突いてやる。
「んあぁあ!」
びくっと竜崎は全身を硬くしてこれから来る何かに怯えた。
「竜崎……今日は……お前を壊してやるよ」
「――――え?」
宣言して、徐々に腰の動きを早めていく。
「あっ、あっ、ああ!ちょ、らいと、くん!だめ、ですもう……っ!さっきっ」
「お前だけが気持ちよくなれる、なんて思ってた?」
「そんな、そんな訳じゃ……っ」
喉の奥でくくっと笑って、竜崎がイケない様にしたまま空いた片手でガッチリと腰を捕まえる。僕のストロークに合わせて、竜崎の腰も無理やり前後させる。勢い良く出入りする僕の赤黒いのが、竜崎の白い尻に飲み込まれていく様は中々に凶悪な感じがしていい。この体位も嫌いじゃないんだよ、僕は。
竜崎には負担がかかるかもしれないけれど、正常位よりも後背位の方が痛くないのが男同士の場合普通だ。快楽を引きずり出してやる。
「竜崎……いい子にしてるんだよ?」
暴れるな、と言外に告げてから、段々と腰の前後を早めていく。
「あっ!あっ!あっ!らい……っ、深っ……!」
奥まで届くこれは、竜崎の一番奥の壁まで突き刺さる。びくびくと背を震わせて、竜崎は衝撃に耐えながらも艶めいた声で喘いだ。
「らいとく……っ!あ、中……っ!破れ……っ!」
ぎゅうぎゅう締め付けるせいで、引きずり出す度に入り口の粘膜が捲くれ上がる。
酷く卑猥なその様に僕はまた喉の奥で笑った。
「気持ちいいよ、竜崎……ああ、お前の中、最高」
「あんっ、んんっ!中、響くっ!!」
がつがつと腰を振ってやるとそう喘ぐ。奥まで揺らしてやっていることに満足感を覚える。きゅうきゅうと窄んでくる奥。なんだかんだ言って僕のを中に誘っているのに気づいていないのか。お前は僕の虜なんだよ。……知らないつもりでいたのか?
「イイ、ね。お前の中……誘いこんでくる……」
「そ、んな事……っあぁ!」
皆まで言わせる前にまたガツンと奥に突き込んでやる。ひぁ、と一つ甲高く啼いて、竜崎はまた背を反らした。
「ああ、堰き止めてるのにね、だらだらこぼれてきたよ」
からかってやれば、羞恥にまた中がうごめく。
「気持ちいいんだろ?酷くされてもどうしようもないんだろ?」
「あっ!あっ!ああああっ!や、やめっ」
グチュグチュと接合部が鳴っている。そこからさっき出した僕のとローションが糸を引いてシーツに垂れている。なかなかいい眺めだ。
「んっ、ふっ!んんんっ、んく、んんんっ」
衝撃の度に鼻にかかった甘い息を漏らしだす。
ピストンのスピードを上げる。深く早く、徐々に徐々に追い詰める。もうとっくにイキそうな位攻めているのに、堰き止められているからだろう。竜崎の背には玉の汗が浮いている。
「ぁ、んんっ!ら、いと!……も、もっ……!来るっ!き、ます……っ!あぁああ」
「んっ……キツ……」
「も、ああ、白……回り……あぁああ!」
ぐぐっと顎が上を向く。竜崎はひいひい泣きながら全身を痙攣させている。
ああ、こいつ、イクな。
そう思った瞬間、竜崎は堰き止められているのに
「ぁぐっ……ああぁあああああぁあああっ!」
と悲鳴を上げて空イキした。中が物凄い勢いで締め付けてくる。
「っく!」
僕も遠慮なく中にたっぷりだして、それから戒めていたのを離してやる。
パン!と最後に一往復させると、びしゃっと勢い良く吐精した。
「ぁ、あ……、あ、あぅ」
すでに竜崎は息も絶え絶えといった風だ。まだ離すつもりはない。
優しくこちらに向き直させて、びちゃびちゃのシーツの上に横たわらせた。不快感などもう感じないに違いない。
「ぁ、あ……ぅ」
呆然として余韻に浸る竜崎。強烈な快感が、今こいつのなかを駆け巡っているのだろう。ドライでイかせた後に射精させてやったのだから。
ひく、ひく、と身体を痙攣させている竜崎の上に覆いかぶさって優しく抱きしめてやる。
「ん、」
ぴくんと反応して僕の背中に腕を回してきた。お互い汗みずくだ。
「竜崎?大丈夫?」
ちゅ、ちゅ、と顔中にキスしてやりながら労う。なるべく優しく聞こえるように。
「らいと、くん」
掠れきった声で竜崎が応える。ぼんやりとした視界に僕を捉え、幸せそうに微笑んだ。
――――ああ、僕の竜崎。
「気持ちよかった?」
微笑み返してやると
「……はい」
と可愛らしいとも言える声で答えてくる。
「竜崎、もっと気持ちよくなりたい……?」
「え?」
羽で擽るように全身を愛撫する。さっきまでの強烈な刺激ではなく、とろとろと溶けていくような刺激。安堵したように吐息を漏らした竜崎は、僕の言った意味を理解しかねているようだ。
「もっと、とは?」
どこかふわふわとした口調で首を傾げる。
「そのままの意味だよ。もっと、もっと……溶けるまで」
僕の宥めるような声色に、
「……溶けるまで」
と小さく復唱する。
竜崎は間違いなく僕に恋している。僕はこいつを愛している。竜崎がどれだけ僕を欲しがっているか知りたかった。僕と同じ執着と愛をもっているならば、僕と溶け合いたいと思っているはずだ。
「ねえ、竜崎」
「はい」
「天国にイカせてあげるよ」
ふふと官能的に笑ってみせる。竜崎はコクリと喉を鳴らして、しかしこう言った。
「天国には……行きたくありません」
思わず眉間に皺をよせる。
「どうして」
「だって……」
僕を愛していないのか。そう思ったのに。
「天国にあなたは居ないでしょう?」
ふわふわとした口調だが、意識ははっきりしてきているようだった。
「私はあなたの居ないところには行きません」
言外に僕が地獄に居ると言ってくる。こういうところも、僕は気に入っている。くくっと喉の奥を鳴らして笑ってしまった。
「じゃあ、一緒に堕ちる?」
「……あなたがそこにいるならば」
ああ、これは愛の告白だ。
「竜崎」
「……月くん」
耳に唇を寄せる。
「もう一度、抱かせて」
こくんと竜崎は頷いた。
今度は足裏を抱えて肩にかけさせる。そしてぐぐっと胸につくほど折り曲げてやる。柔らかい竜崎の関節はなんなくその姿勢を受け入れる。
何も言わなかったけれど、わかっているみたいに見つめ合ってから挿入する。竜崎はやや眉根を寄せたけれど、視線は互いに外さなかった。
指先を絡める。互いに強く握り合う。
わかっているんだ、お互いに。互いの居ない世界で正気を保って生きていくなんて出来ないことを。
お互いだけが全てだ。
それは愛だろう。それは執着だろう。
最初から強くストロークする。
「ぁっんんっ」
竜崎は喘ぎを上げて目を細めたけれど、僕から視線を外さない。僕も打ちつけながら竜崎の目しか見なかった。
「んっ……」
強い締め付けに僕も思わず声が漏れる。竜崎の真っ黒な目はまるで奈落みたいで、見つめていると、なんだか吸い込まれてしまいそうだ。
「あ、あ、らいと、くんっ」
「竜崎っ」
互いの名を呼ぶ。興奮するよりも幸福だった。
「らいとくん、らいと、くんっ。らいと……っ」
「竜崎、……竜崎っ、りゅうざき」
言葉にしなかった心を、互いに音にする時が来たのだ。お互いの名前、それが全てであること。そして想いを。
「……っ好き、です……っ……らいとくん……っ!」
「竜崎……っ」
ぐぐっと僕のが中で膨張する。
「ぁああ!」
「愛してる……竜崎っ……」
腰を振る。中の熱に翻弄される。気持ちいい、溶けそうだ。
竜崎も頬を上気させて蕩けた視線を送ってくる。本当に互いに溶けて、一緒に高い所に墜落しそうだ。
「あぁあああっ!らいと……好き……すき……すき……っ」
「竜崎……愛してる……愛してる……っ」
さっきまでのセックスで消耗し、竜崎の意識は朦朧とし始めている。僕も関節が痛むくらいに強く打ち付けている。
竜崎の中を突き破り、そこに孕まない精子を注ぎたかった。僕の全て、僕を構成する遺伝子たちを。お前だけのもの。僕だけのもの。
形作れない、何も生み出さないひとつきりの愛。執着。執念。告白。
「っら……いと……く」
竜崎の意識が段々怪しくなってくる。外さないままの視線が僕の瞳孔を通ってそのまま脳を見透かすように深く深くなっていく。
「ぁあ……竜崎……っ、欲しい。欲しいんだ……欲しい、欲しい……欲しい」
「ら、と……く、ほし、い」
「欲しいんだ……っ」
「あなた、が……」
互いに指を強く握りしめる。千切れるほどに接合する。このまま離れられない一つの肉塊になればいい。
「イ、く……くる……らいとく……っ」
「竜崎……っ」
竜崎が変則的に痙攣を始める。もう絶頂はすぐそこだ。
ぐちゅぐちゅ鳴る互いの結合部が、もう溶けてなくなっているかもしれない、そんな錯覚を覚える。
もうダメだ。墜落する。堕ちる。堕ちる。
「りゅ……ざき……っ!イク……っっ」
「ああぁあ、あ!らいと、く……っ!」
今まで届かなかった位最奥に、僕のを食い込ませる。
「ああああぁあぁぁあああーーーっ!!!!」
竜崎が絶叫とともに強く締め付け
「っく……!!!!!……ルっ」
「……がみ……らいと……っ」
互いに互いの名を呼びながら、二人同時に絶頂を極めた。
竜崎がガクガクと震えながら僕の腕の中で崩れ落ちていく。ずるずると力が抜けていき、視線がふわりと宙を彷徨う。
「ら……と……く」
「竜崎……」
竜崎が幸せそうに微笑んでいる。
「中に……あなたの、が」
「ああ、そうだよ。僕のが」
腹をさすり、それから僕に精一杯のキスをする。
「私の……私のものです。あなたは、私のもの」
「うん……竜崎、付き合って、僕と」
「はい」
お互い幸せに笑った。
「竜崎、竜崎」
「らい、とくん」
竜崎の意識が段々遠のいていく。
「僕はお前の物だ。お前の。……そしてお前は僕のものだよ。僕だけの。……僕だけのものだ」
ぎゅっと抱きしめて、遠のいていく竜崎に囁く。
「……僕……?」
「ああ」
もう限界だと思われたその時、竜崎の声が妙にはっきりと聞こえた。
「あなたは……誰」
――――と。
ああ、お前はわかっている。僕が僕であり、僕が僕一人ではないことを。僕の仮面を、僕の真の姿を。
だからお前は僕を愛している。そこに惹かれてやまないのだろう。僕の本質を、深い所を、こいつは察知して愛しているのだ。
なんという幸福。何があってももう絶対に離してなどやるものか。
これこそが僕の愛した竜崎。
だから。だから
愛しているから。
欲しいから。
刻印を焼き付けたいから。
僕から目を逸らさせないために。
音を出さずに唇だけで形作る。
『キラ、だよ』
にぃっと残酷な笑みを刻んでやる。
竜崎は一瞬大きく目を見開き、そして……。
僕の腕の中で意識を途切れさせた。
愛している。愛されている。僕達にとってそれは、幸福な、幸福な、最上級の、……不幸。
さあ、どこまでが現実。どこまでが夢。いつか気付け、竜崎。
――――僕はお前の宿敵だ。
end