砂時計



僕の夢のなかで、竜崎は何処にもいない。

「竜崎……竜崎?何処に隠れてるの?」

何度呼んでも姿が見えない。

目を覚ますとそこには僕とくっついて眠る竜崎の姿がある。

「竜崎……竜崎……いつまで寝てるの?」

「ん……まだ眠いですよ……もうちょっとだけ」

それで僕は安心する

僕の現実の中で竜崎は存在しているのに、

何故か遠い距離の様で。

キスしても、セックスしても、さらさらこぼれる骨の砂時計。

いつしか居なくなる時が、分かたれる時が来るのだろうか。

いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ

竜崎は僕のもの。僕は竜崎のもの。

そう心のなかで思いたいのに、どうしても現実感を伴わなくて

僕はいつも困惑する

眠る竜崎は冷たくて、動かなくて、寝息は立てているものの

まるで死んでしまった人のようで、僕の胸をざわざわさせる。

………………ああ、思い出した。





竜崎は僕が殺してしまったんだ。

何処にもいない。何処にもいない。何処にもいないんだ。

竜崎、愛している、愛してる……愛してるよ……愛してる……

それだけが呪縛のようで。

僕は灰色の世界をひた走る。


竜崎の遺骨の砂時計……それひとつを身に纏いながら。

……愛しているよ、もう離れないで済む。

僕の中の竜崎……。





end